濃尾大橋(1956年の開通)の慢性的な渋滞の解消を主な目的として建設が進められている新濃尾大橋。愛知県一宮市と岐阜県羽島市を結ぶルートで、この事業は愛知県と岐阜県の共同事業です。
当初は新聞などで報道された通り、建設予定地の周辺に希少種の淡水魚が生息しているため、着工が遅れたようですが、2012年に着工されました。水質汚濁防止対策、騒音振動対策、事後調査(工事前調査、工事中調査、工事後調査)を徹底。生態系や河川環境に配慮して、計画時や工事中においてできる限り回避・低減するように努める方針が打ち出されています。自然環境に配慮した工法をとります。
地元の自治体が20年以上にわたって懇願した橋だと聞きます。総工費は90億円。クルマで川を越えるためには橋を渡るしか方法はありません。新しく橋を開通させても、渋滞緩和という目的は達成されないと思います。新濃尾大橋から川下にある西中野に渡瀬船が現役で動いています。これは愛知県の事業で、無料で利用者を対岸まで運んでいます。この渡瀬船の代わりとして、新濃尾大橋が開通される、と思った方が自然です。
車道と歩道が整備された新しい橋が誕生します。その時、渡瀬船の役割は十分果たせたとなります。(text in 2014.7.23)